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  3. 不動産仲介開業の事業計画書の書き方!融資に成功しやすいコツとは?

不動産仲介開業の事業計画書の書き方!
融資に成功しやすいコツとは?

はじめに

不動産仲介で本格的に開業する場合、自己資金のみでの開業も可能ですが、銀行の融資を受けたほうが資金に余裕をもって開業できます。

しかし、銀行の融資を受ける際には事業計画書の提出を求められますが、どのように作成すれば良いのか分からず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、不動産仲介での本格的な開業に向けて融資に伴う事業計画書を作成しようとしている人のために、事業計画書が必要になる場面や作成方法などを解説します。

不動産仲介開業で事業計画書を作る目的と必要になる場面

不動産仲介開業で事業計画書を作る目的と必要になる場面

不動産仲介を開業する際に、事業計画書を作成しなければならないと聞いたことがある人もいるでしょう。しかし、そもそも事業計画書とはどのような書類なのか、どのような場面で必要になるのか分からないという人も多いのではないでしょうか。

事業計画書を作る目的や、納得してもらう事業計画書を作成するためのポイントについて解説します。

事業計画書とは

事業計画書とは、開始しようとしている事業の内容や企業の戦略、収益の見込みなどをまとめた書類です。

事業計画書に記載する内容は事業の種類によって異なりますが、主に以下のような項目が記載されています。

  • 創業者の名称(創業メンバー)
  • ビジョンや理念・目的
  • 事業内容
  • 自社サービスの強みや特徴
  • 市場環境や競合
  • 生産方法や仕入先
  • 売上や利益に関する計画
  • 資金調達に関する計画

事業計画書を作成する目的

開業するにあたり、必ず事業計画書を作成しなくてはならないという決まりはありません。しかし、以下のような目的から、開業する人のほとんどが事業計画書を作成しています。

  • 事業内容の可視化
  • 方向性の共有
  • 資金提供者への説明資料

事業内容を頭の中で思い描いているだけでは、計画に何らかの漏れがあっても気づきにくいものです。しかし、事業計画書を作成して可視化しておけば、思考を整理できるだけでなく、何が不足しているのかを見抜くことにつながります。

また、事業を開始した後も、計画通りに事業が進行しているかどうか判断する際の指標になるほか、従業員が増えた場合に方向性を共有する際の資料にもなります。

金融機関に融資を依頼する際には、言葉だけではうまく事業内容を伝えられず、審査に落ちてしまうこともあり得ます。しかし、事業計画書を作成しておけば、的確に事業内容を伝えられるため、審査に合格する確率を高められるでしょう。

納得してもらう事業計画書を作成するために

開業時に事業計画書を作成しておくことは大切ですが、事業計画書であればどのような内容でも良いというわけではありません。

誰もが納得できる事業計画書を作成するためにも、事業の将来性だけでなく、市場の競合などの環境、戦略、リスクなどを調べるほか、シミュレーションした上で、どのように取り組むかを明記する必要があります。

事業の詳細や根拠のある数字を盛り込みながら、簡潔で分かりやすい内容に仕上げましょう。

資金調達で定番の3つの調達先

資金調達で定番の3つの調達先

自己資金だけで開業することも可能ですが、金融機関から融資を受けることができれば、資金に余裕をもって開業することができます。

また、「設備資金」「運転資金」「赤字補填資金」のように、開業時だけでなく開業後も状況に応じた融資を受けられるため、金融機関は経営者にとって心強い味方といえます。

金融機関と一口に言っても「政府系金融機関」「自治体の制度融資」「民間金融機関」と複数あり、利用する金融機関によって審査の厳しさや金利条件、準備する書類の種類などが異なるため、各金融機関の違いを事前に把握しておくことが大切です。

各金融機関の特徴を詳しく見ていきましょう。

1.政府系金融機関

政府系金融機関とは、政府が出資している金融機関です。日本政策金融公庫は政府系金融機関で政府が100%出資をしています。

政府系金融機関の特徴は、他の金融機関と比較すると金利が低く設定されている点です。借りる期間も長めに設定されているため、1回の返済額を抑えられる点は大きなメリットといえます。また、融資の内容によっては、担保や保証人を必要としないケースもあります。

ただし、融資条件が良い反面、融資審査は厳しめです。そのため、返済能力があるかどうかを証明するために、多くの資料を用意しなければなりません。

返済負担を抑えたいのであれば政府系金融機関がおすすめですが、融資実行までの時間を最短にしたい人は、他の金融機関を選択することをおすすめします。

2.自治体の制度融資

地方自治体のなかには、独自の制度融資を設けているところもあります。必ず設けているというわけではなく、業種や用途ごとに制度融資の内容も異なるため、開業を予定している自治体で制度融資を設けているかどうか事前に確認しておく必要があります。

条件は政府系金融機関に似ているため、金利は低め、返済期間は長めに設定されているケースが多いですが、こちらも審査が厳しめです。返済能力が有無を証明するため、多くの資料を用意しなければなりません。

他の金融機関と異なる点は、返済が不要となる補助金や助成金を提供している点です。返済不要であるため、資金繰りが楽になるというメリットがある一方、審査がさらに厳しく、融資実行までに時間もかかります。

返済負担を抑えたい場合には自治体の制度融資がおすすめですが、融資実行までの時間を最短にしたい人は、他の金融機関を選択することをおすすめします。

3.民間金融機関

民間金融機関は、政府系金融機関や自治体の制度融資と比較すると、審査の難易度が低めといえます。

しかし、難易度が低めである分、金利が高め、返済期間が短めに設定されているケースが多いことから、1回の返済額が大きい点に注意してください。

難易度が低めであるといっても、融資を受けられることが保証されているわけではありません。融資審査に通る可能性を高めるためにも、事業計画書をはじめとした資料を事前にしっかり準備しておくことが大切です。

融資実行までの時間を短縮したい、融資を受けられる可能性を高めたい人は民間金融機関がおすすめですが、返済負担を抑えたい人は他の金融機関を選択しましょう。

不動産仲介の事業計画書作成前に確認したい3つのこと

不動産仲介の事業計画書作成前に確認したい3つのこと

不動産仲介の事業計画書を作成する前に確認しておきたいポイントには、以下の3つが挙げられます。

  • 1.営業戦略を立てておく
  • 2.不動産業界経験者は職務経験をアピールする
  • 3.宅地建物取引士の設置について

各ポイントを詳しく説明していきます。

1.営業戦略を立てておく

不動産仲介業では、営業戦略が非常に重要です。不動産売買を事業内容とする不動産会社の場合、安く買って高く売ることでまとまった利益を得ます。

一方、不動産賃貸を事業内容とする不動産会社の場合、得られる収入は手数料収入が主な利益になるので、多くの仲介を受けることで利益を増やします。つまり、営業戦略を立てて顧客を確保することが重要ということです。

地域とのパイプ作りやインターネットを使ったマーケティングなどを、しっかり考えておきましょう。

2.不動産業界経験者は職務経験をアピールする

不動産業界は、不動産業界での勤務経験がない人でも始められます。

しかし、融資を受ける際は不動産業界での勤務経験があったほうが審査を有利に進めやすいです。そのため、不動産業界の勤務経験や業界へのコネクションがある人は、融資を受ける際に職務経験をアピールすることが大切です。

また、不動産仲介業にとって必須となる宅地建物取引士という資格を有していると、審査に有利になります。資格を有していない人と比べると話の説得力が増すので、必ずアピールしましょう。

3.宅地建物取引士の設置について

不動産仲介業を開業する際は、専任の宅地建物取引士が所属していることが必須条件です。

そのため、自身が宅地建物取引士の資格を有している場合は問題ありませんが、有していない場合には専任の宅地建物取引士の資格を有している人を雇用しなくてはなりません。

資格を有していない場合は早めに有資格者を探し、雇用時の人件費がかかることも想定しておきましょう。

そのほかにも不動産開業するために必要なことは、こちらの記事で詳しく記載しています。
>>不動産で開業するには?事前に知っておきたい9つのこと

不動産仲介の事業計画書において外せない12の項目

不動産仲介の事業計画書において外せない12の項目

業種ごとに事業計画書に盛り込む項目は多少異なるため、開業予定の業種に合った事業計画書を作成することが大切です。

ここからは、不動産仲介の事業計画書において外せない12の項目を見ていきましょう。

1. 事業プラン名

事業プラン名とは、事業のテーマや名称です。

計画している事業の顔となる重要な部分ですが、冗長にならないように伝えたいことを的確にまとめることが大切です。20文字程度で簡潔にまとめましょう。

2. 創業動機

創業動機とは、事業を開始するに至ったきっかけや経緯などです。

事業に対する想いをアピールする重要な部分なので、エピソードも交えつつ想いをしっかり伝えましょう。

3. 創業者(企業)のプロフィール

創業者の略歴(最終学歴や職歴など)を記載します。

融資を受ける際は、その人が信頼できる人物かどうかを判断する資料にもなるため、職務経験や保有資格などの関連する事柄については、全て明記しておくことをおすすめします。

4. 事業概要と目的

どのような市場で、どのようなターゲットに対して、どのような商品やサービスを提供するのかという事業の全体像(事業概要)を明記します。

冗長になると読みにくいため、簡潔にまとめることがポイントです。

5. サービス内容とビジネスモデル

どのようなニーズに対してどう応えるか、商品やサービスのラインナップや価格設定などを明記します。

競合との違い、自社の特色や魅力などを盛り込んでおくと良いでしょう。

6. 市場規模

市場規模がどのくらいなのか、現在だけでなく将来的に市場規模がどうなるのかという見通しも明記します。

ここでは具体的な数字を用いる必要があるため、根拠をしっかり提示しましょう。

7. 競合分析

競合他社がどのような方針で提供しているのか、事業規模がどのくらいなのかを明記します。

また、自社が競合他社と比べてどのような点で有利になのかという強みを盛り込むのもポイントです。

8. 業種フロー

業種フローでは、開業後の収支計画や収支計画に基づく事業の見通しなどを明記します。

一定期間の事業の収支を予想して、簡易的な損益計算書を作成する、収支計画に合わせて1年目に何をする、翌年には何をするなどの具体的な計画を盛り込みましょう。

9. マーケティング戦略

開業後どのように事業を軌道に乗せるのかという戦略を明記します。

事業計画書に記載するマーケティング戦略は、「市場調査活動」「商品化計画」「販売活動」「販売促進活動」「PR・宣伝広告」などの5つの要素です。

10. 経営プラン(仕入れ・販売先・人員計画など)

開業と同時に利益を得られる体制にあるかどうかを明確にしておくことも、重要なポイントです。

例えば、どこから仕入れて、どこに販売するのか、人員をどれだけ確保してどこに配属させるのかなどです。経営プランがしっかり立てられていれば、融資を受ける際の審査に有利になるでしょう。

11. 資金計画

事業に必要な資金や、その調達方法について記載します。

初めての起業では、資金計画の検討が不十分で失敗するケースが多く見られます。起業を成功させるため、融資審査を有利に進めるためにも、以下の2つの書類を正確に作成しましょう。

要注意書類1:予想損益計算書

予想損益計算書とは、事業の収入と支出に関する数値を予測しながら作成する書類です。

予想だからといって適当に数値を当てはめるのではなく、事業の特性や計画などを踏まえつつ具体的な数値を計算書に盛り込みましょう。

要注意書類2:資金繰り予定表

資金繰り予定表とは、一定期間における現金収入と現金支出を予想し、どのような資金の流れが生じるのかを明確にした書類です。

現金収支の動きが分かるため、資金ショートによる黒字倒産のリスクを抑えられます。この部分が疎かだと、融資の審査に不利になるため、資金繰りに無理がないかをしっかり確認しましょう。

12. 経営リスクとその解決策

法的リスクや技術的なリスク、人的リスク、自然災害リスクなど、開業にはさまざまなリスクを伴います。

業種・業態によって異なるため、どのようなリスクが起こりえるか、どうすればそのリスクを軽減できるかをしっかり明記しておきましょう。

事業計画書の書き方に迷ったときは専門家に相談してみる

事業計画書の書き方に迷ったときは専門家に相談してみる

事業計画書は、事業内容の可視化、方向性の共有、資金提供者への説明資料として必要なものですが、内容が不十分な場合には事業計画書の本来の目的を達成できません。

納得してもらう事業計画書を作成することが不可欠であるため、書き方に迷ったときは専門家に相談するのも選択肢の1つです。

不動産フランチャイズ加盟を念頭に開業を検討されている方、LIXIL不動産ショップにご相談ください。事業計画書についてのご相談から、開業全般についてもお気軽にご相談いただけます。

まとめ

事業計画書は事業内容を可視化できる、方向性を共有できる、資金提供者への説明資料として利用できるので融資審査を有利に進められるなどのメリットがあります。

そのため、開業を有利に進められるという理由から作成しておくことをおすすめします。

事業計画書の作成方法が分からずに悩んでいる人は専門家に相談する、不動産フランチャイズに加盟するのも選択肢の1つです。

LIXIL不動産ショップは高いブランド力、最先端不動産ITシステムなどを活かしながら不動産仲介開業をサポートしています。

不動産開業セミナーも随時開催しているため、いつでも事業計画書の作成方法や開業全般についてもお気軽にご相談いただけます。

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