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不動産会社を個人で起業したら儲かる?
不動産業の主な収入源や成功のポイントを解説
はじめに
不動産業界で開業・独立を検討している方の中には、儲かるのか気になっている方も多いでしょう。起業後に後悔しても手遅れなので、事前に起業する人の状況や起業時のポイントなどを押さえておくことが大切です。
この記事では、不動産業界で起業する人はどのくらいいるか、不動産業界で起業する理由や収入源、起業時のポイントなどを解説します。不動産業界で開業・独立を検討している方はぜひ参考にしてください。
不動産業界で起業する人はどれくらいいる?
不動産業界で起業する人が減少している場合は、あまり魅力的な業界ではない可能性があります。そのため、不動産業界で起業する人がどのように推移しているのかを把握しておくことが大切です。
国土交通省が毎年公表している宅地建物取引業法の施行状況調査結果(令和4年)によると、過去10年連続で宅地建物取引業者数が増加しています。この結果から、新規参入の多い業界であることが分かります。
なぜ不動産業界で起業するのか
不動産業界で起業する方が年々増えていることが分かりましたが、なぜ不動産業界で起業するのでしょうか。不動産業界で起業する方が多い理由として、以下の3つが挙げられます。
- 仕入れの費用が必要ない
- 人件費を低く抑えることが出来る
- 1回の契約で得られる金額が大きい
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
仕入れの費用が必要ない
不動産業界で起業する際は、仕入れを必要としません。宅地建物取引業者の免許を取得する際に多少の支出は生じますが、飲食業や小売業などのように仕入れの費用が生じないため、起業時の初期費用を抑えられます。
人件費を低く抑えることが出来る
不動産業界では従業員を多く抱える必要はありません。一人でも問題なく起業できるため、他の業界と比べて人件費を低く抑えることで、ランニングコストも抑えられます。
1回の契約で得られる金額が大きい
不動産業界の中でも、売買を仲介する売買仲介業の場合は、1回の契約で得られる金額が大きいです。例えば、3,000万円の物件の売買を仲介した場合には、依頼主に「(3,000万円×3%+6万円)×1.1(消費税10%)=105万6,000円」の仲介手数料を請求できます。1回の契約でまとまったお金が手に入ります。
不動産会社の主な収入源
不動産会社を起業した場合における収入源は、仲介手数料だけではありません。不動産会社の主な収入源として、以下の4つが挙げられます。
- 仲介手数料
- 売却益
- 管理手数料
- 各種手数料
それぞれの収入源について詳しく説明していきます。
仲介手数料
仲介手数料とは、不動産会社が売買契約や賃貸借契約を仲介した場合において依頼者に請求できる報酬です。特に売買契約を成立させた際の仲介手数料は1回の取引で得る報酬が大きく、不動産会社の主な収入源です。
仲介手数料は、宅地建物取引業法に上限が定められています。賃貸借契約においては借主と貸主のそれぞれから受け取れる手数料の上限は賃料の0.5か月分以内です。一方、売買契約においては売主と買主のそれぞれから受け取れる手数料の上限は以下のように取引額によって変化します。
取引額 | 仲介手数料(上限) |
---|---|
200万円以下の部分 | 取引額の5%以内 |
200万円超400万円以下の部分 | 取引額の4%以内 |
400万円超の部分 | 取引額の3%以内 |
400万円超の場合は「取引額×3%+6万円+消費税」の速算式で算出できます。
売却益
不動産会社は、自ら不動産を仕入れて売却することによって売却益を得ることも可能です。例えば、以下のような売却益が期待できます。
- 土地や中古物件を仕入れて転売する
- 土地を仕入れて建物を建ててから販売する
最近では中古物件を安く仕入れ、リフォームしてから転売するケースも増えています。
管理手数料
管理手数料とは、賃貸物件の管理をすることで物件の所有者から対価として受け取れる報酬です。売買契約の仲介手数料は1回の取引で得られる報酬が大きいですが、管理手数料は賃料の3~7%程度なのであまり多くの報酬を得られるわけではありません。
しかし、管理している物件さえあれば、毎月定期的に入ってくるものであるため、不動産会社屋にとって安定した主な収入源になります。
各種手数料
不動産会社では、各種サービスを提供することによって手数料収入を得ることも可能です。各種手数料として、以下のようなものが挙げられます。
- 火災保険や地震保険などの代理店手数料
- 各種サービスを紹介することによる紹介手数料
例えば、契約時に保険契約を締結する、住宅ローンを紹介するなどで得られる手数料が数十万円になることも珍しくありません。うまく提案できれば手数料収入の上乗せが期待できます。
不動産会社の儲けを左右する6つのポイント
不動産会社を起業しても、成功が保証されているわけではありません。起業を成功させるには、儲けを左右する以下の6つのポイントを押さえておくことが大切です。
- どのビジネスモデルを選ぶか
- どのエリアに店舗を構えるか
- どのように集客するか
- 人脈の有無
- 営業力
- 役立つ資格の有無
それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
1.どのビジネスモデルを選ぶか
不動産業界のビジネスモデルは、1つだけではありません。売買仲介、賃貸管理、賃貸仲介の大きく3つあり、ビジネスモデルによって売り上げに差が生じるため、違いを把握しておくことが大切です。
売買仲介
売買仲介とは、売買契約の仲介をすることによって報酬を得るビジネスモデルです。賃貸仲介よりも成約数は少ないですが、1回の取引で得られる報酬が大きく、ハイリスクハイリターンであるのが特徴です。
賃貸管理
賃貸管理とは、物件の所有者に代わって管理を行うことによって報酬を得るビジネスモデルです。所有者から物件の管理の依頼さえ獲得できれば、毎月安定した報酬を得られるので最も収入が安定します。しかし、数が少なければ収入が安定しないため、管理物件の数を増やすことが求められます。
賃貸仲介
賃貸仲介とは、賃貸借契約の仲介をすることによって報酬を得るビジネスモデルです。売買仲介よりも1回の取引で得られる報酬は少ないですが、成約数を伸ばしやすく、売り上げの安定感が良いのが特徴です。取引で得られる報酬を増やすには、成約数を増やすことが求められます。
2.どのエリアに店舗を構えるか
需要と供給が多いエリアほど、多くの依頼を受けられるチャンスがあります。そのため、どのエリアに店舗を構えるかも重要です。
例えば、都心と地方では、需要と供給の量が大きく異なります。そのため、需要と供給の多い都心での起業を検討する方も多いかもしれませんが、都心は扱う物件価格も高額なので大きな利益が期待できる一方、店舗出店に必要な初期費用とランニングコストが高額です。
地方は初期費用とランニングコストを安く抑えられますが、需要と供給が少なく、扱う物件価格も都心よりは安くなるので大きな利益があまり期待できないでしょう。
儲けや利益を考える際は、需要と供給、店舗出店にかかるコストなどを考慮し、戦略を練る必要があります。
3.どのように集客するか
収益を安定させるには、顧客を獲得することが欠かせません。見込み顧客を継続的に獲得するには、集客に力を入れる必要があります。
以前はチラシやポスティング、新聞への広告の出稿が主体でした。しかし、昨今はインターネットやスマホの普及で不動産ポータルサイトや自社ブログ、SNSなどで集客するケースも増えています。
集客媒体ごとにメリット・デメリットやコスト、ターゲット層が異なります。そのため、集客方法を選ぶ際は自社のターゲット層、広告にかけられる予算などを踏まえながら選択することが重要です。
不動産の集客については、こちら記事でも詳しく解説しています
>>昨今の不動産集客方法とは?集客アイデアと成功するためのポイント
4.人脈の有無
人脈は売り上げアップに欠かせません。その理由は、人脈は見込み顧客になり、場合によっては新しい顧客を紹介してくれる可能性があるためです。
人脈を増やしてから起業すれば、集客面で苦労しにくく、起業当初から速やかに顧客を獲得することで収入を伸ばしていくことが可能です。
5.営業力
不動産会社の収入源である仲介手数料は、成約に至った場合のみ得ることが可能です。そのため、見込み顧客を多く抱えていても、クロージング(成約)に導くことができなければ意味がありません。
そこで重要なのが、営業力です。不動産は高額な買い物なので、決断までに時間を要するという方も多いです。コミュニケーション能力が高い方であれば、お客さんの不安を軽減させ、成約に至る可能性が高まります。
6.役立つ資格の有無
不動産業界で仲介業を営む場合、宅地建物取引士の取得は必須です。その理由は、重要事項の説明や契約書の記名は宅地建物取引士が行う、不動産会社は所定の人数の宅地建物取引士を配置する必要があるためです。
また、建築士やファイナンシャルプランナーなどの資格を取得していれば、知識が増えることによって業務の幅が広くなります。質問に対して的確に答えることができれば、顧客に安心感を与えることによって成約率の上昇が期待できます。
不動産業界の資格については、こちら記事でも詳しく解説しています
>>動産仲介業の資格は宅建だけじゃない?開業時に必須・有利な資格や、取得の順番を解説
不動産業界の起業で、必ず心得ておくべき4つのこと
不動産業界の企業を成功させるためにも、以下の4つを心得ておくことが重要です。
- 競合の多さを理解しておく
- 開業当初は収入が安定しない
- 業務の量の多さを想定しておく
- 不動産業界の事について勉強する
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1.競合の多さを理解しておく
不動産業界で起業する方は、年々増加しています。つまり、競合が多いということです。国土交通省の宅地建物取引業法の施行状況調査結果(令和4年)によると、宅地建物取引業者の数は12万9,604業者です。13万超目前で、全国のコンビニの数が6万軒程度と宅地建物取引業者は単純に2倍以上あることを考えると、競合が多いことが明らかです。
少子化によって日本の人口が年々減少し、競合が増えたことによってお客さんの奪い合いが激化しています。売り上げが低迷して廃業する不動産業者が増えている点に注意が必要です。
2.開業当初は収入が安定しない
不動産業において、お客さんがいない、見込み客がいないと収入につながりません。そういった中で開業当初は知名度が低いため、集客に苦しむことも多く、安定した収入が得られるとは限りません。
集客がうまくいって、収入が得られるまでに時間がかかる可能性がある点に注意しましょう。
3.業務の量の多さを想定しておく
会社員として勤務していた頃は、業務を他の従業員と分担しており、一人当たりの業務量は限られています。しかし、起業した場合は、自身が経営者として営業・経営・実務などを全てこなさなくてはなりません。
業務量が増えることを把握しないまま起業すると、一人ですべてをうまくこなすことができず、起業に失敗する可能性があるので注意してください。
4.不動産業界の事について勉強する
不動産業界では、不動産市場がどのように変化しているか理解するだけでなく、法令や税金、権利関係などの幅広い知識が求められます。
また、一度知識を身につけても、情報が日々更新されるので常に勉強が必要です。そのため、前向きに勉強を継続できる方でないとなかなか独立開業は難しいです。
これから不動産業で起業をする方へ
不動産業界での起業には、初期費用を抑えられるのでハードルが低く、軌道に乗れば多くの報酬を得ることも夢ではないというメリットがあります。一方で、分担していた業務を一人ですべてこなさなくてはならないので負担が大きいほか、起業初期は知名度が低いため収入が不安定という点がデメリットです。
起業後すぐ軌道に乗せるための方法として、フランチャイズに加盟するという選択肢があります。加盟すればフランチャイズの知名度を活かして集客を有利に進められる、ノウハウを享受してくれるので安定した収益が期待できます。
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まとめ
不動産業界は軌道にうまく乗って契約を獲得できれば、1回の報酬が大きいので十分に儲かる業界といえます。しかし、個人で不動産会社を始める際は、知名度が低いので顧客獲得が難航しやすい、さまざまな業務を一人で手掛けなくてはならないので業務負担が大きいというデメリットがあります。
不動産業界での独立開業を成功させるには、儲けを左右するポイントや心得ておくべきことを確認することが重要です。
また、フランチャイズに加盟した場合、フランチャイズの知名度を活かして集客を有利に進められる、経営のノウハウを身につけられるので、独立開業を成功させたい方は加盟するのも選択肢の1つです。